日本のバンドのプロモーション / Hiroshi Masuda
 POSEIDON Productionsは、NEARfest2002で日本のプログレバンド18バンドをNPO活動としてプロモーションしました。1850シートを持つ会場を世界中から訪れる観客と関係者で2日間満員にする世界最大のプログレフェスティバルにおいて日本のバンドをプレゼンテーションすることは、日本のプログレシーン発展に意義があると考えたからです。プロモーション活動に賛同して参加したのはこの18バンドです。

 Bellaphon / 美狂乱 / Bondage Fruit / Cinderella Search / Djamra
 Elephant Talk / KBB / Kenso / L'evoluzione / Lucifer
 Magritte Voice / MassA: Masaharu Sato / Pochakaite Malko / Quaser
 Round House / Sixnorth / SOLA / Theta

 このフェスティバルには、カウントしただけでも世界23カ国からレーベル、ディストリビューター、ライブ主催者、ミュージシャン、雑誌編集者、ラジオ番組ディレクター、web masterなど多くの関係者が集まっていました。彼らにとっては未知の日本のプログレバンドを知ってもらい、また観客にはCDを買ってもらうおうと、プロモーション計画を立てました。実施したプロモーションはつぎのとおりです。

 * 各バンドの解説が入ったカラーフライヤーを作成し入場者に配布
 * 会場内のブースにてCDを即売
 * ジャーナリスト、レーベルにサンプル盤を配布
 * 事前にメーリングリスト、ニューズグループ、BBSなどで広範囲に告知
 * 告知時にリンクするチラシと同内容のweb page公開
 * 関係者からの情報収集および日本関係の相談対応


 現地でのプロモーション活動は、主にアメリカ人サポーターが担当しました。日本のプログレのファンである、Dan Pluta, Joe Petraglia, David Pluta, Tom Bogan, Alan Benjaminの5名です。彼らは準備段階から、CDやフライヤーの運搬、ブースのセットアップ、的確なセールストークなどによって、フェスティバル期間の2日間献身的に働きました。またKensoをサポートする上田夫妻は、ブース全体のディスプレイ作成を担当しました。Happy Companyの中藤正邦さんは、フライヤーとweb pageのデザインをお願いし、短い納期と数多くの変更に対して奮闘していただきました。MusicTermの加藤正之さんにはweb pageのためのサーバーをお借りし、またMusicTermサイトでの海外へのCD販売を今回のプロモーションに連携できるようにご協力いただきました。
(Hiroshi Masuda / POSEIDON Productions)


海外で孤立する日本のプログレ

 始めて海外のプログレフェスティバルを観戦したのが、ロサンゼルスで開催された1994年のProgFestだった。セバスチャンハーディーが一時的に復活して、アネクドーテンとアングラガルドが両方出演していたように記憶している。10バンドくらいをいっぺんに見ることができるのは嬉しかったが、行ってみて始めてわかったのがアメリカでは日本とは違って西海岸の業界関係者が一致協力して1000人集まるイベントを開催していることと、世界中からプログレ関係者が集まって交流していることだった。

 ライブの他にコンベンションと呼ばれるCD即売会兼レーベルやバンドのプレゼンテーションブースが並んでいた。そこでお客にCDを売るのはもちろん、各国から集まったレーベルやバンドさらには雑誌が、新しい出会いを得てビジネスをその場で進めていた。これは新鮮だった。残念だったのは、その場に日本人は誰も参加していなかったことだった。当時の日本では、プログレCD販売量の大半は日本市場向けで他の国にはプログレシーンと呼べるものはない、という通説がまかり通っていて、海外で何が起こっているのかは知られていなかった。でも世界はホットに動いていた。そして日本はかやの外だった。

 その後、ボンデージフルーツをProgFestに出演させたり、KensoをProgFestに紹介したり、他のバンドもいくつかのフェスティバルにブッキングしたり、POSEIDON Productionsで海外ミュージシャンを招聘したり、といった活動に携わってきたために、私自身の海外との交流は深まっていったが、そこでわかったことは日本には優れたミュージシャンが数多く存在するにも関わらず、彼らのうちのほとんどは世界レベルでは全く無名だということだった。例外はArs NovaとGerardで、今や海外でのほうが知名度がある両者は、自ら売り込まなくても各国のフェスティバルに招待されている。マネジメント側のMade in Japan Recordsが積極的に海外進出を推進した結果だ。情報と音源さえ伝えられれば、興味を持っていてCDを購入したりライブを見たい人達はたくさん存在する。

 でも現状では、多くの場合それはあまりにも細い糸であってほとんど機能していない。なんとかできないものだろうかと長い間考えてきたが、今回たまたまタイミングが合ってNEARfestで日本のバンドをプロモートすることになった。フェスティバルでのレスポンスはとても良かったので、毎年続けていければいいなと考えている。
(Hiroshi Masuda / POSEIDON Productions)
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