トーマス・スタンカが来日し、ポーランド大使館でのプライヴェート・コンサートを行った。ヨーロピアンジャズと言うよりは、東ヨーロッパのジャズをやるのかな?スタンカはECMでも活躍してるから、そうとも言えないか。旧ソ連のジャズは、タイムマシンでバップの前に行ってたりが面白かったけど、東ヨーロッパのジャズってどんなのだろう?さて、"クール"な演奏が始まる。う〜ん、トランペットのプレイヤーを見ると、相変わらずマイルスがダブルなぁっていうか、ダブリます。スタンカもマイルス学校の連中、例えばECMならジャック・デジョネットやディブ・ホランドなんかと共演する機会に、間接的な影響を受けてるのかも知れないなぁ。マリリン・マズールなんかも居たっけ。思ったよりも若々しく力強い印象だ。けれどもコンサートの前半では、音響の調子が悪いのか、スタンカ本人は演奏をすぐにやめてしまい、引っ込んでしまった。ふと気づくとピアノのマルセン・ワジルフスキーが、格段に素晴らしい演奏をしている。ドラム、ベースがオーソドックスなジャズを紡ぎだすのに比べ、彼は少し未来のジャズの側に居るハイパーミュージシャンとしてプレゼンテーションを行っているようだ。御大のスタンカがステージに戻ると、カルテットによる音楽の化学反応が見えてくる。良い雰囲気だ。ただ、大使館地下の会場があまり音楽向きではないせいか、それに音響設備も通常のコンサートほどは良くなかったから、このカルテットの最高の演奏ではないのかも知れないと感じた。最高の演奏だと、どれくらいのものをみせてくれるのだろうか?そうした思いは残ったけれど、トランペットとピアノのコンビネーションのスリルは、この日のコンサートの収穫だった。

 2006年には、ホールでのコンサートを予定しているとのこと。今から楽しみだね。ポーランドといえば、あのSBBにも是非来て欲しいなぁ。イタリアで見た、アフター・クライングは、最近どうしてるかなぁ。(記:高原光輝)